【試験問題大公開!】「鉄の門」と呼ばれるネパールの高校卒業認定試験の正体とは?
ナマステ〜
前回は、どうやってネパール語を習得したのかについて書きました。
皆さんは、人生の中でどれだけ試験を受けて来たでしょうか?
高校受験、、大学受験、TOEIC受験などなど
人生にはたくさんの試験が待ち構えています。
ネパールって受験はあるのでしょうか?
今日はネパールの試験事情について書いていきます!
1. 「鉄の門」と言われた試験
ネパールの学生が一番人生で初めて経験するであろう大きな試験が
SEE( Secondary Education Examination)
と言われる試験です。
2016年まではSLC( School Leaving Certificate)と呼ばれていましたが、
2017年教育法の改正によりSEEと名前を変えました。
タイトルにも書いた通り、この試験は別名「鉄の門」と言われています。
なぜ「鉄の門」なのでしょうか。
その理由はSEEの結果を見ると一目瞭然です。
上の写真は2015年度のSLCの結果を表しています。
黄色の丸は首都カトマンズの学校の結果です。
86%の生徒が合格していることがわかります。
一方青の丸はカトマンズからバスで七時間ほど言ったところにあるチトワンという農村部の学校の結果です。
約3割の生徒しか合格できていないことがわかりますね。
特に農村部の生徒にとってこの試験はまさに「鉄の門」なのです。
どんな内容の試験なの??
科目はCompulsory subject(必修科目)とOptional subject(選択科目)に分かれています。
Compulsory subjects:
- Mathematics(数学)
- English (英語)
- Science and Environment(理科と環境)
- Social Studies(社会)
- Nepali (ネパール語)
- Health, Population and environment education(健康、人口、環境教育)
Optional subects (2科目選択)
- Optional Mathematics(選択数学)
- First Economics(初級経済学)
- Second Office Management and Accountancy(オフィスマネジメントと会計)
- Computer Science (コンピュータ)
- Education(教育学)
- Optional English(選択英語)
- Environment Science(環境科学)
必修科目教科、選択科目2教科の計8教科の試験が行われます。
制限時間は1教科3時間、1日1教科ずつ約二週間かけてネパール全土で一斉にテストが実施されます。
SEEではLetter Grading Systemが採用されています。
このGradeによっていける高校や履修できる科目が決まります。
Students enrollment criteria for HSEB grade 11
たとえば、理系の物理学を高校で学びたいとなった場合、
GPAの合計が2以上、かつ数学・理科においてC+以上、英語C以上、社会とネパール語がD+以上のスコアが必要となります。
実際の試験問題を解いてみよう!!
さてネパールの試験について理解が深まってきたところで、
実際に試験問題を解いてみましょう!
今回はネパール暦2074年(西暦2017年)の過去問から出題します!
まずは数学!
問題文はネパール語と英語で表記されています。
ちなみにこれはvery short questionという一番基本的な知識を問う問題です。
続いて英語!
英語は日本人にとって結構レベル高めです・・・。
しかもWriting問題がたくさん・・・。
首都カトマンズの私立学校では全ての授業が英語で行われる学校(いわゆるBoarding school)がたくさんあります。
しかし農村部では基本的に全ての授業はネパール語で行われます。
そのため英語は農村部と都市部で差が出やすい教科の一つとなっています。
さて、ネパールの試験について少しでも理解していただけたでしょうか。
まだまだ僕も勉強不足ですがこれからもネパールの教育について発信していければなと思います。
ではまた明日。