田舎もん大学生のネパール日記

休学して一年間ネパールでインターンしている大学生のブログです。

【算数実践編:第一弾】指計算脱却までの全ステップ大公開!

ナマステ〜

 

今まで6回に渡って「数を教える」ことの理論を紹介してきました。

 

今日はいよいよ実践編第一弾です!

 

1回目の今日は私がネパールの学校で実施してきた算数活動のアウトラインを紹介したいと思います。

 

次回以降はそれぞれの詳しい実践内容を書きます!

 

 

1.数概念習得のトレーニン

(1)数概念とは? 

以前理論編で紹介した通り、数には

 

具体物の量(鳥が「一羽」など)

数詞(「イチ」「ニ」「サン」など)

数字(「1」「2」など)

 

があります。

ramronepal.hatenablog.com

 

数概念を習得するためにこれら3つの関係性を繋げる必要があります。

 

数詞を数えられるけど、数字が書けない・・・。

 

となると完全には数を理解したと言えませんからね。  

(2)数の三者関係を使ったトレーニン

 ではどうやって具体物・数詞・数字を関係させて行くのかという話です。

 

これはたくさんのやり方があると思います。

 

手段は無限通りあり、これが唯一の絶対のやり方でないというのを最初に言っておきます。

 

 私は卵パックの空とりんごカードを使用して数の三者関係のトレーニングを行いました。

 

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生徒の一人が卵パックがやまみたいだね!

 

といったことからアイデアを経て「アップルマウンテン」と命名しています。

 

詳しいやり方に関しては次回書きます!

 

2.数を「集合」として捉えるトレーニン

(1)数を「集合」として捉えるとは?

 

以前「子どもはなぜ指計算をしてしまうのか」という記事を書きました。

ramronepal.hatenablog.com

 

 この記事では、「指計算をしてしまう子どもの多くは数を「順序」として捉えている」ということを書いています。

 

数を順序で捉えている以上、8を数えるときには1番目、2番目、3番目・・・8番目にある数字だから8、という風に数を一個ずつ数える必要があります。

 

これではいつまでだったも指で数えることから脱却できません。

 

指を使わずに計算できるようになるためには、数を塊=集合として捉えられるようにならなければいけません。

 

ですので、このトレーニングでは

 

順序数から集合数への移行

 

を目的にしています。

 

(2)Dot フラッシュカードを使用したトレーニン

 

順序数から集合数への移行が指計算の脱却には不可欠だということはわかりました。

 

ではどうやって数を順序ではなく集合として捉えられるようにするのでしょうか。

 

それがドットカウンティングです。

 

下の写真のような丸いドットが書かれたシートがあります。

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これをフラッシュカードの要領でめくり子どもはできるだけ早く正確に数を言い当てます。

 

詳しいやり方は後日記事で書きますので、お楽しみに!

 

(3)具体から半具体へ

1の数概念習得トレーニングでは「りんご」という具体物を用いたトレーニングでした。

 

ドットカウンティングで使用するのは文字通り「ドット」です。具体物ではありませんが、抽象的な数字でもありません。半具体ということになります。

 

このトレーニングは子供が具体から抽象へ数の概念を習得して行く際の、橋渡し役的な立ち位置になります。

 

3. 合成分解トレーニン

(1)合成分解とは?

 合成分解について詳しくは以前の記事で触れているのでそちらをご覧ください。

 

ramronepal.hatenablog.com

  

(2)合成分解フラッシュカードを使用したトレーニン

ドットカウンティング同様、合成分解のトレーニングもフラッシュカードを用います。

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1から10までの合成分解は25パターン存在します。

 

例えば5の場合

1と4、2と3の2パターンありますね。

 

こうした合成分解を繰り返し行うことで、数を操作することを学んでいきます。

 

(3)半具体から抽象へ

ドットカウンティングが半具体物を通して数を学ぶことだとすると、合成分解は抽象的な数字を操作して数を学ぶ段階です。

 

4. さくらんぼ計算

(1)さくらんぼ計算とは?

みなさん小学校の時に経験されているかもしれません。

 

さくらんぼ計算とは下の写真のように繰り上がりのある足し算をする際に、使用するテクニックです。

 

まさに合成分解ですね。

 

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(2)さくらんぼ計算トレーニン

 

このステップで大切なのは「10を作る」ということです。

 

さくらんぼ計算の肝は10を作れるかどうかです。

 

さくらんぼ計算のステップで合成分解ができてかつ、10を素早く作れるようになったらほぼマスターしたも同然です!

 

 

5.いざ計算練習へ!

ここまできたらいよいよ計算練習です!

 

普通の日本の学校であれば、授業で1~4のステップを5時間くらいで済ませて、あとは計算ドリルでひたすら練習となりますが、

 

それは子供達が幼少期や就学前教育で十分に数に触れ、遊びや具体物を通して数の感覚を養っていることが前提となっています。

 

ネパールのような途上国では、そういった就学前教育や遊びを通して学ぶという概念があまり定着していません。

 

そのため、このような長い〜位ステップを踏んで数の概念を習得する必要があるんです。

 

次回以降それぞれのトレーニングの詳しい内容ややり方について書いていきます!

 

ではまたあした。