【理論編:第五弾】こどもはなぜ指計算してしまうの?
ナマステ〜
今日もゆっきーは鼻水に苦しんでいます・・
ネパール生活残り1ヶ月、健康第一でいきたいところです。
さて、今日も算数理論編です!
今日のテーマは
「なぜ指計算をしてしまうのか?」
指計算ってなに?
指計算とは、皆さんご存知のように指を折ったり開いたりして数を数えたり計算をすることです。
なぜ指計算をするのか?知っておきたい2つのこと
指計算をしてしまう原因は様々あります。
なぜ指計算をしてしまうのかを知るために必要なこと、そしてどうしたら指計算を脱却できるのかを2つに絞って書きます。
1. 具体 vs 抽象
ほとんどの大人は指を使わずに計算します。
しかし幼児期・小学校低学年の子どもの多くは指を使って計算をします。
なぜ大人は指を使わず、子供は指を使うのでしょうか?
これには子供の発達段階が関係してきます。
ピアジェの発達理論によると
7歳から11歳の子どもは「具体的操作期」と呼ばれます。
具体的操作期における思考は、具体的な出来事に依存しています。
こどもは何を考えるにしても自分の身の回りの具体物を基準にして考えます。
数を数えるのも例外ではありません。
「指」というのは子供の一番身近にある具体物です。
それは使わない手はないですよね。
指計算はしてはいけない!悪いことだ!というわけではなく
子供の発達過程を考えると「指」という具体物を使用して数を数えるのは自然のことだといえます。
しかしいつまでも指を頼っていては、ものに依存する思考から脱却できません。
12歳以降の子どもは「形式的操作期」へと移行します。
形式的操作期の子どもは、
具体的な現実に縛られることがなく、抽象的・形式的に考えることができるようになり、
抽象的な問題解決も推論も行うことができるようになります。
つまり子どもは具体的な操作期を経て抽象的に物事を考えられるようになるのです。
そうであるならば、数の指導においては
具体から抽象への橋渡しが指計算からの脱却の一つのポイントになりそうです。
2. 順序数 vs集合数
以前記事の中で紹介したように、数の捉え方には2種類あります。
ものの集まりの大きさ(集合の要素の数)を表す数を集合数、
そして、あるものの順番を表す数を順序数。
順序数でしか数を捉えられないとどうなるでしょうか。
例えば3+4の場合
1・2・3と数えて3番目にある数だから3
そしてそこから4・5・6・7と3から数えて4番目にある数だから答えは7
というように一つ一つ数えないと答えを導くことができません。
順序数でしか捉えられていないと指計算に頼りがちです。
一方集合数で数を捉えられていると
3という塊と4という塊をたすだけ。
一つ一つ数える必要はありません。
指計算から抜け出すことができない理由の一つに、集合数として数を捉えられていないことが考えられます。
順序数から集合数へ数の捉え方を変化させることが指計算脱却のもう一つのポイントになりそうです。
秘密は算数セットにあった!
実は日本の学校では集合数として数を捉えるためのトレーニングがたくさん行われています。
皆さん算数セットって覚えていますか。
あの、机の引き出しの半分を占領するでかい箱です。
その算数セットの中に10個入りの黄色のブロックが入っていたのを覚えているでしょうか。
あの黄色のブロックは
5個の塊、10個の塊など
数を塊(集合)として捉えるトレーニングの一つなんです。
だから私たちは小さい頃から様々な具体物に触れながら、順序数と集合数、そして具体から抽象への移行を行なっていたんです。
以上、なぜ指計算をしてしまうのかを紹介しました。
また実践編で書きますが、
僕はネパールの学校で具体から抽象への移行トレーニング、そして集合として数を捉えるためのトレーニング方法の考案・実践をしています。
実践編もお楽しみに!
まとめ
指計算をしてしまう原因は
1. 指という具体物を頼って数を認識している
2. 順序数でしか数を認識できていない
指計算脱却に大切なことは
1. 具体から抽象への橋渡し
2. 集合として数を捉えられるようにする
この二つが大切です。
ではまた明日!
【理論編:第四弾】簡単なようで実は大切!「順序数と集合数」
ナマステ〜
そういえばブログ15日にしてPV数1000PV超えました!
読んでくれたみなさんありがとうございます!
今日は算数理論編です!
今まで3回に渡って理論を紹介してきました。
今日のテーマは
「順序数と集合数」
早速紹介していきます。
1. 小学一年生のさんすう覚えていますか?
皆さんは小学校一年生の算数でどんなことを習ったか覚えていますか?
僕は一つも覚えていません笑
友達のトマトの鉢の上に石ころを乗せてこっぴどく叱られたくらいしか記憶にありません笑
記憶を戻すために平成27年度用の東京書籍「あたらしいさんすう1ねん」の目次をみてみます。
2.集合数とは?
1年生の学習は
「なかまをつくろう」
というタイトルのものから始まります。
下の写真のようにある集合から同じもの同士まるをくくるような学習です。
このように
ものの集まりの大きさ(集合の要素の数)を表す数を集合数と言います。
3 .順序数とは?
そのあと、5月上旬頃には
「なんばんめ」
というタイトルの学習があります。
この学習は下の図のように前から〜番目、後ろから〜番目に印をつけよう、的な学習です。
このように
あるものの順番を表す数を順序数と言います。
4.順序数と集合数、なぜ大切?
順序数と集合数は両方とも小学一年生の初期に学習します。
足し算や引き算を習うより前です。
つまり、順序数・集合数という数の捉え方が後の計算習得に影響してくるということです。
この二つの数の考え方がなぜ大切かというと
指計算をしてしまう児童は数を順序数でしか見られていない事が多いからです。
指を使う児童は3+3の場合、
指で1から6番目の指まで数えます。
そして6番目にあったから答えは6になる
というように順序数の考え方が抜けないのです。
順序数から集合数への数の捉え方の変化をどう生み出すか、については実践編で紹介します!
また指計算をしてしまう原因については長くなるので、また次回理論編で紹介したいなと思います。
それではまた明日。
【理論編:第三弾】子供はどんな順番で「数を唱える」ことを学ぶの?
数唱とは?
①糸状(String)段階②分割できない段階(Unbreakable chain)③分割できる段階(Breakable chain)④数量化段階(Numerable chain)⑤2方向段階(Bidirectional chain)
①糸状(String)段階
②分割できない段階(Unbreakable chain)
③分割できる段階(Breakable chain)
④数量化段階(Numerable chain)
⑤2方向段階(Bidirectional chain)
【大学生必見】Give and Takeの法則
ナマステ〜
今日はネパールに来て初めてステーキをいただきました!
↓こちらがステーキ!!
めっちゃうまいです。。。
kathmandu steak houseというタメルにあるお店です。
日本食レストラン「絆」のすぐ近くにあるので、ネパールに来た際は是非!
私たちはTakeを最大化したいと思っている。
今日本の大学は夏休みですね。
みんながインスタやフェイスブックで楽しそうにはしゃいでいるのを見てすごく羨ましいな〜と思いながら眺めています笑
ネパールにもいろんな大学の学生が来ているようです。
多くの大学生(自分も含め)はネパールことを知りたい、いろんなものを見たい、聞きたい!と思ってネパールに来ていると思います。
できるだけたくさんの学びを得て日本に帰りたいという気持ち、すごくわかります。
Give and Takeでいうと、Takeを最大化したいという気持ちは皆持っていることだと思います。
でも注意しないといけないのは、
Takeを最大化したいと思った結果、自分中心に物事を考えてしまうことです。
Takeするためには必ずGiveする人が存在します。
世の中に消費者がいれば生産者がいるのと同じで、もらう人がいればそれと同じくらい与える人もいます。
これは僕が日々思っていることですが、
Giveする人がTakeだけしたいと思っている人と接した時、
Giveして得られるものってすごく少ないんですね。
もちろん例外はあります。
Giveした結果、何も返ってこなくてもGiveしたことに自分なりの意味づけをすればそれは貴重な学びへと変化します。
お互いがGiveする関係性
僕が強く思っているのは
give and takeの関係はお互いがgiveする関係性の中で最大限の効果が得られるということです。
お互いが「自分は相手に対して何が与えられるのか」を前提として考え、
Takeはその結果得られるものです。
Give and Takeを恋愛に例えると・・
恋愛に例えるとわかりやすいかと思います。
恋愛においてお互いが愛されたいと思っている状態、つまりお互いがTakeしたいと思っている状態だと、
「なぜあなたは愛してくれないの?」
「お前こそなんで好きって言ってくれないの?」
っていう喧嘩が怒るわけです。んで結局価値観が違うとかで別れるんですよね。
また片方は愛していて、もう片方は愛されたいと思っている状態だと
一見うまくいくように思われますが、
「俺(私)はこんなに愛しているのに、なぜあなたはそんなにそっけないの」
「あなた本当に私のこと愛しているの?そしたらもっと私に愛しているってこと見せてよ!」
な〜んてことが起こるわけです。
愛は基本的に尽きない欲求のようなもので、与えらえれば与えられるほどもっと欲しくなるものだと思います。
それを受け取る側と与える側ってはっきり分かれてしまうと、これまた
「あなたは結局私より他のもの(人)が好きなんだね、じゃあ別れましょ」
ってなってしまうんですね。
恋愛はお互いが愛する(Give)関係になって初めて成立するものだと思います。
大切なこと
なんか恋愛の話になっていまいましたが、
何かを得たいと思った時、真っ先にすべきことはどうしたらTakeを最大化できるかではなく、
どれだけ相手にGiveできるか。
どんなGiveをしたら相手が喜ぶかをひたすらに考えること。
そして考えたことを実行すること。
これに尽きると思います。
僕がネパールで学んだことの一つとして
Takeしようと思って得た学び(Take)よりも、Giveしたことによって得られた学び(Take)の方が、数倍価値があるということです。
なぜ【大学生必見】?
タイトルに【大学生必見】と書いたのは、
大学生は基本的に与えられる側の人間だからどうしてもTakeを最大化することに意識がいってしまいがちだからです。
それが社会人になっていきなり生産者になる。
すると今までTakeだけを考えてきたから、なかなかその考えが抜けない。
そうなると
「この会社は何も与えてくれないんだ。やめよう」
ってなっちゃうんです。
別にやめることが悪いことだとは思いませんが、辞める理由が「与えられない」というのはおかしいかなと。
ネパールでの残り1ヶ月、ネパールの先生・生徒にどんなGIVEができるかひたすらに考え実行していきたいと思います!
ではまた明日。
「返信が待ちきれない!」 日本・ネパールの高校生による手紙交流スタート!
ナマステ〜
昨日から鼻水がとまらないゆっきーです。
ネパールはもう夏が終わったのかな?
夜は少し冷えます。ネパールに休暇でくるみなさん、風邪にはお気をつけて。
1. 手紙交流プログラムスタート!
今日、活動しているカトマンズの学校で新しい取り組みを行いました。
それが
日本の高校生とネパールの中学生による手紙交流
ネパールで活動している社会活動家の方のお知り合いが先生で
その先生の学校の生徒と手紙を通した交流をすることになりました。
ネパールの生徒が手紙を書き、PDFファイルにしておくり
日本の生徒がそれに対して返事を書くというもの。
手紙交流の授業で得た学びを少し共有したいと思います!
2. 学び:人間としてのゆっきー目線
①英語ライティング力すごい!
今回手紙を書いたのはネパールの8年生9年生の生徒計21名。
日本でいう中学2・3年生の学年になります。
1コマ40分間の授業をいただいて、最初の説明を引くと約35分。
35分間でこれだけの文章量、そしてカラフルな装飾ができるのが単純にすごいなと思いました。
↓実際に生徒が書いた手紙の一部(宛名;学校名は伏せてあります)
日本の中学で同じ授業をやったら何時間かかるのか・・・
②世界と繋がりたいと思っている
当初、日本の学生との手紙交換を楽しんでやってくれるだろうかという不安がありました。
始まる前はちゃんと書いてくれるか凄くドキドキだったのですが、
いざ始まってみるとほとんどの生徒はペンが止まらない!
ささーっと書ききってしまいました。
一人の生徒が手紙を書き終わった後に
「ユキ、もう一つ入れたいものがあるんだけど・・・」
といってきました。
何だろうと思って待っていると、英語で書かれた詩を渡されました。
「これもお願い」
あ〜こうやって自分の思いを綴ったものを届けたいっていう気持ちがあるんだ。
その子は普段静かで、考えを表に出さないけど世界と繋がりたいって思っているんだな、と実感をした瞬間でした。
3. 学び:先生としてのゆっきー目線
交流前・交流中に「あ〜これ必要だったな」と思うことがいくつかありました。
①授業前
・事前学習が肝
「さあ、書いてみよう」と言ったところで、いきなりかける人はいないでしょう。
では「〜について書きなさい」と言われたとして
楽しくかけるでしょうか?
事前に、生徒の興味関心を掻き立て、自ら「書きたい!」、「〜について聞いてみたい!」という思いを起こさせる必要があります。
生徒それぞれの興味関心に沿った手紙はきっとより具体的で、読む方も書く方も楽しいものになるでしょう。
具体的には、自分の国との比較から入るのは一つの手だと思います。
自国と他国の宗教や文化、人口、ダンスを比べ、「違い」を知ることで興味関心を引き出す。
このステップがあるかないかでだいぶ書く内容が変わるのかなと思います。
・書きたいことを整理する
興味関心を引き出すことに成功したはいいものの、書く内容がうまくまとまらなくては、良い文章になりません。
頭の中にある伝えたいことを整理する必要があります。
今回はマインドマップを使用して、生徒が情報を整理した状態で手紙を書くようにしました。
マインドマップは一つの例ですが、こうした頭の整理をしてから実際の手紙を書くステップに移ると良いかと思います。
②授業中
交流前の事前学習がしっかりできていればあとは書くだけなのですが、
中にはペンが止まる生徒もいます。
今回も1〜2名ペンが止まっている子がいました。
・なかなか筆が進まない生徒にはどうしたらいいの??
これは手紙を書いている間結構悩みました。
書くことがあるのに整理できてなくて書き始められないのか
そもそも書くことが思いついていないのか
面倒臭くて書かないのか
原因は様々あります。
まずはなぜ生徒のペンが止まっているのか観察や問いかけを通して理解する。
僕は今回この部分はできなかったです・・・
そのあとそれぞれの原因に合わせた有効な手立てを講じることが大切かなと。
(対策を事前に考えておく必要がありそうです)
4. 生徒の声
実際に手紙を書いた生徒からは
「返信が来るのがとても楽しみ!」
「日本のことをもっと知りたいと思った!」
など嬉しい感想をいただきました。
日本で教壇に立ちながらこういった国際交流をやられている先生を本当に尊敬しますし、自分もそうなりたいと強く感じました。
ご協力してくださった方々全員に感謝です。ありがとうございました。
返信が返って来るのが待ちきれませんね!
ではまた明日。