田舎もん大学生のネパール日記

休学して一年間ネパールでインターンしている大学生のブログです。

「社会を変えるなんてできっこない」激動の3ヶ月間を振り返る!

ナマステ〜

 
村から帰って来てぐったりのゆっきーです。
ついに9月になりました。
 
そして帰国まで20日を切りました。
 
ネパールとは一生のお別れではないものの、これほど長期間滞在できることはもうあまりないのではないかと。
 
帰国までもうすぐのこのタイミングで11月から今までの活動や思ったこと・学んだことを振り返ってみようかと思います。
 
まずは2017年11月から3018年1月までの3ヶ月間分の活動や考えたことを書いていきます。
 
長文になりますが、どうかお付き合いください。
 


11月

ネパール初上陸

ネパール行きが決まったのが2017年8月。そしてネパール初上陸したのが2017年10月31日。

 

私は今までフィリピン4回、タイ1回という海外経験だった。

 

初めての南アジア。しかも1年間の長期滞在。

 

飛行機でカトマンズへ向かう中では不思議と不安はなく、これから始まるネパール生活でのワクワクの方が大きかった。

 

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スワヤンブナートにて 瞑想

各プロジェクト地訪問

ネパールに到着してすぐにインターン先のNPOの活動地3校を訪問した。

カトマンズの私立学校

 とにかく校舎が立派。先生が可愛い。

 

それが学校へ来ての第一印象笑

 

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村の学校①(カブレ)

カトマンズからバスで5〜6時間ほど走ったところにある村の学校を訪れた。

 

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もっと古くて小さい学校をイメージしていたのだが、実際はすごく新しく生徒も元気だた。

 

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生徒の前で初めて自己紹介

この学校で活動できることにワクワクし初めていた。


村の学校②(マクワンプール)

カトマンズからバスで4時間ほど行ったところにある村の学校。

 

この学校はほぼゼロからのスタートとなる。

 

職員さんから、とにかく最初が大事と言われていたので

 

大量のお米を炊き、おにぎりを作って学校の生徒全員に配った。

 

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おにぎりを握って生徒に配る

 

後からわかったことだが、タイ米はおにぎり作りには向いていない。笑

 

ちょんまげおじさんに連れられラムチェ村へ

 

カトマンズの旅行者が集まるタメル地区でチベット料理を食べていた時のこと。

 

何やら大量の日本人を引き連れているおじさんが歩いてくる。しかもちょんまげ?!

 

なんだこの人?!

 

っていう感じで話し始めたら実はその人はネパールの復興支援などを行っている人で今回は大量の衣服を村へ持ってくるところだという。

 

そのちょんまげおじさんから「ゆっきーもいく?」と言われ

 

「行きます!」

 

二つ返事で行くことに。

 

カトマンズからジープを飛ばすこと6時間。

 

山の中腹に位置する小さな村ラムチェ村に到着した。

 

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村に着くや否や、とてつもない歓迎ムード。

 

村人に日本から持ってきた衣服を配るお手伝いをさせてもらうことになった。

 

この村は冬にはかなり冷えるらしく、日本のダウンジャケットは冬を凌ぐ上で欠かせないらしい。

 

新しいダウンジャケットをもらったおばあさんは大喜び。友達のおばあさんと神様に捧げる踊りを踊ってくれた。

 

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肩を組んで喜ぶラムチェ村のお母さん

衣服を渡すとみんなが喜んでくれた。

 

すごく自分の中で達成感というか満足感が生まれた。

 

一方、今自分がやっている活動はどうだろう?

 

こんなに喜ぶ姿を見らえることはあるだろうか?

 

教育は変化を生み出すのにすごく時間のかかる。

 

それゆえ自分が満足感を持って活動することが難しい。

 

1年間という限られた期間で自分はどんな変化を生み出せるのだろうか?

 

少し不安が生じた。

 

次に日には学校の生徒と交流した。

 

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カメラを向けると笑顔でピースしてくれた

とにかく良い村だった。

 

 もう一度帰りたいと思った。

 

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全員で集合写真

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12月

何か大きなことをやらねば・・・

渡航して1ヶ月がたち、やっとネパールの生活に慣れ始めた頃。ようやくプロジェクトのことを考え始めるようになった。

 

僕はインターンの最終面接で「社会を変えるための1年間にしたい」と宣言した。

 

自分には嘘をつきたくなかった。

 

だから社会を変えるようなことをしたいと思っていた。「社会を変える」とは何かを深く考えることなしに・・・

 

僕が社会を変えるために必要だと思ったこと。それはとにかくたくさんに人を巻き込んで大きな変化を起こすこと。めっちゃざっくりしてる笑。

 

よし、いざ行動だ!ということでネパールの東京大学にあたる「トリブバン大学」、それと肩を並べる「カトマンズ大学」を訪問した。

 

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自分が考えていることを説明するためにPPTを準備し、なんとか教育学部の教授へ出会えないかと構内をグルグルしたり、食堂でそれらしき人に声をかけまくった。

 

そして見つけた。

 

数学教育の教授と英語教育の教授。

 

アポなしで研究室を訪れ自分のこと、プロジェクトのことを語った。

 

二人ともプロジェクトにはすごく興味を持ってくれた。そして助けが必要な時はいつでも連絡してくれと行ってくれた。

 

その帰り道。すでに熱が冷めきっている自分がいることに気づいていた。

 

いつもこうだ。

 

行動する。偶然何か・誰かに出会う。すごくやりたいと思う。でもその熱は1日もすればすぐ消えてしまう。

 

線香花火のように盛りが過ぎたらすぐに火は消えて無くなってしまう。

 

すぐに熱が冷めてしまうのはなぜだろう?

 

それは周りからの評価を気にして行動していたからだ。

 

大きなことをして大きな変化を生み出せばきっとみんなから評価される。

 

自分がやりたいことよりも周りから評価されることを優先している。

 

そんなダサい自分がいた。

 

はー、結局ネパールに来て環境が変わっても自分は変わってないんだな。

 

かなり落ち込んだ。

 

家庭訪問開始!

渡航から1ヶ月、僕は一つの村の学校を担当することになった。

 

その学校では信頼関係もあまりできておらず、活動もほとんど行われていなかった。いわばゼロからのスタートだ。

 

もちろん村の先生は英語が話せない。

 

そして僕もネパール語が話せない。

 

コミュニケーションが成り立たない。

 

先生達からはきっと「あいつは何をしに来ているんだろう?」と思われていたことだろう。

 

実際に先生からは「ユキはこの学校では仕事が少ないんだね」と嫌味を言われることもあった。

 

そんな中、学校以外の生徒の様子や、そもそも村の生活の様子を知りたくなった。

 

そこで学校終わり生徒についていき家庭訪問を実施した。

 

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生徒の家の様子

近い家では徒歩10分。遠い家だと徒歩2時間はかかる。

 

生徒と道なき道を歩く。

 

どの家庭も外国人が家に来るのは初めてだった。

 

すごく手厚いおもてなしを受けた。

 

夜は生徒と一緒に寝た。

 

朝は生徒一緒に起き、顔を洗い、ご飯を食べた。

 

そしてまた学校へと向かう。

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登校中の一枚

ただそれだけのこと。

 

ただそれだけのことだけど、得られるものは多かった。 

 

ネパールで日本のお笑い芸人と遭遇!?

あるレストランで朝ごはんを食べていた時のこと。

 

日本人らしき2人組がカメラを持ちながら店に入って来た。

 

そして僕に「Hello」と声をかけて来た。

 

「あっこんにちは」というと

 

「え〜君日本人?!ここで何しているの?」

 

という会話から一緒にご飯を食べることに。

 

聞くと一人は日本のお笑い芸人オジンオズボーンの篠宮さんでもう一人はカメラマンだという。

 

どうやら番組の収録で「ネパール住めば都説」を検証しに来たらしい笑

 

そのまま意気投合し、ホームステイ先へ連れて行くことになった。

 

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酔っ払ったホストファミリーがだるがらみを始める笑

そしてなぜかホームステイのお父さんとコントが始まった!笑

 

僕にとって初めてのテレビ出演がネパールだとは思いもしなかった。

 

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1月

村の学校の修学旅行が超過酷?!

なんだかんだでネパール語も少しずつ話せるようになり、村の学校の先生とも仲良くなり始めた。

 

ある日、校長先生から「今度修学旅行があるのだが、一緒に行かないか?」というお誘いを受けた。

 

海外の学校の修学旅行に同行できる機会なんてそうないだろうと思い、「いきます!」と二つ返事で答えた。

 

その時はスーパー過酷な旅行になることなど知る由もなかった・・・

 

修学旅行は4泊5日で、チトワン・ルンビニ・ポカラというネパールの3大観光地を全て回るというもの。しかも一人6000ルピー(6000円)。

 

みなさん想像していただきたい。ここはアジア最貧国である。

 

全てが予定通りに行くわけがない・・・。

 

そして日本では考えられないことがたくさん起こる。

 

まずバス移動の長さ。普通生徒の体調も考慮して、一日に移動する距離を制限するものだ。

 

しかしネパールはやはりネパールである。

 

1日目。村を朝4時に出発して、チトワンについたのが14時。ここですでに休憩含めて10時間経過している。

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朝4時に出発

 

そしてチトワンを観光して時刻は17時。

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チトワン国立公園にいた像

 

すぐホテルに着くと思いきや、移動する。ひたすら移動する。

 

いつ着くのかどこに向かっているのか先生すら知らない。

 

知っているのは校長のみ。

 

そしてやっとホテル街についたのが夜の23時を過ぎたあたり。

 

しかしここでまたもアクシデント発生。道を間違えたバスがUターンしようとした時、謝って電柱に衝突。

 

バス後方部が大破した笑。

 

そしてやっとホテルに着いたのが24時。もうクタクタだ。

 

よし、やっとふかふかのベットで寝られると思った。

 

しかし・・・

 

「ゆきは生徒と一緒の部屋で寝てくれ」

 

えー先生は別の部屋じゃないの?

 

しかも待って。シングルベットが2つ。

 

今この部屋にいるのは6人。

 

どこで寝るねん!

 

こうしてシングルベット2つに6人がぎゅうぎゅうで寝ることになった。もちろん僕は半身ベットからはみ出している。笑

 

 ・・・・

 

なんやかんやあったが、修学旅行は楽しかった。

 

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with 数学の先生と生徒

修学旅行なのに毎食ダルバードはネパールらしかった。

 

そして生徒との距離がすごく近づいた。

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先生からの学校の一員として認められた感じがあった。

 

家庭訪問でわかったこと

 

先月に引き続き、家庭訪問は継続して行なっていた。

 

生徒について村を回るうちに、村の道や地名を覚え、一人で徒歩2時間圏内の場所には行けるようになっていた。

 

ある日、9年生の成績トップの女の子の家を訪れた。

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9年生の女の子(写真左)と彼女の家


 

笑顔が可愛く、学校ではリーダー的な存在の女の子だった。

 

彼女の家についてまず驚いたのが、家の造り。

 

他の生徒の家は土壁で2階建てのものが多かった。

 

しかし彼女の家はトタンで四方をかこんだだけの簡易的な家。

 

崩れかけの家がその隣にあり、どうやら地震で前の家が壊れてしまったようだ。

 

「お父さんはどこ」と聞いた。

 

「お父さんは出稼ぎに行っている」とのこと。

 

「お母さんは?」と聞くと

 

ちょっと表情が曇った。

 

「うちのお母さんは精神の病気で、人と会話ができないの」

 

その生徒は長女だった。

 

彼女が洗濯や料理を全て行なっていた。

 

それに加えて勉強もしっかりこなしている。

 

すごく複雑な気持ちになった。

 

と同時に、彼女のような人を精一杯応援したいという気持ちになった。

 

たとえ大変な環境であっても勉強したいという人がいる。

 

その事実だけで十分だった。

 

自分の中で「社会を変える」ということへの考えの変化が起こった。

 

「社会を変える」というのは単に大きなことを成し遂げればいいのではない。

 

目の前の人間の人生を真剣に考え、たとえ一人でもその人を全力で応援し、人生がよくなるよう後押しする。

 

少しずつ自分がネパールで何をすべきかわかってきた。

 

初海外での年越し!

12月31日。日本では「ガキの使い」や「紅白歌合戦」を家族で見ている頃だ。

 

そんな時僕はまだネパールにいた。

 

人生初、海外で年越しを迎える。

 

海外で年越しするのも悪くないなと思った。

 

結局自分何しにきたんだっけ??

 

渡航から2ヶ月弱が経過した。

 

実はその時、僕はプロジェクト、そして自分自身と向きあうことを避けていた。

 

毎週行われる職員さんとの週間ミーティングでは毎回厳しいお言葉をいただいた。

 

「何しにネパールにきたの?」

 

「ここで変わらなかったら一生このままだよ・」

 

その言葉を僕は真剣に受け止めていなかった。

 

今ならわかる。

 

職員さんが僕を信頼し続けてくれていたことを。

 

でもその時はわからなかった。

 

きっと周りが見えていなかったんだと思う。

 

毎回「変わらなきゃ」と思っていた。でも一方で変わりたくないという自分もいた。

 

人間が変わろうとするときは大概辛い。

 

相当な努力が必要だ。

 

時にはコンフォードゾーンから抜け出しストレッチさせる必要だってある。

 

そんな代償を払ってまで自分は成長したいのだろうか?

 

努力しないことを正当化するようなこの疑問に僕は悩まさせていた。

 

やっぱり「社会を変える」なんて自分にはできっこない。

 

田舎出身の地方大学のやつなんかに「社会を変える」資格なんてないんだ。

 

そう思い始めてしまった。

 

そこから体調を崩しがちになった。39度の熱がしょっちゅう出る。

 

嘔吐もひどい。体重もかなり減った。

 

渡航から3ヶ月目。この時期が一番辛かった。

 

この辛い経験がこの後大きな成長の原動力になる。

 

 

 

物語は続くよ。

 

ではまた明日。